店主挨拶
店舗概要
実店舗案内
お召し上がり方
スープについて
お客様の声
通信販売


 昭和30年3月の開店以来、中華麺(ラーメン)一筋50年間にわたって行列が絶えないほどのごひいきいただいております。
 その秘密は、当店自慢の煮干スープと、他店の優に2倍はある大盛り麺にあります。
 20年、30年と通いつめて下さるお客様も多く、4代、5代にわたって通って下さっているご家族も珍しくありません。
 遠方からわざわざ出向いてくる常連様もたくさんいらっしゃいます。
 このようにお客様が長年にわたって通い続けてくださるのは、「いつ行っても感動的な味」に出会えるからで、現状の味に妥協せず「常にお客様の一歩先を行く」味づくりを追求し、改良を重ねてきた成果であると自負しております。

 開店当初からありがたいことにたくさんのお客様に恵まれました。
 しかし、執拗な材料へのこだわりがゆえに35円のラーメンを作るのに、なんと27円の原価をかけていたのです。原価率8割近いラーメンを売っていたわけで、これならお客様が喜ばないはずはありません。それでも、たくさんのお客様がついているのだから、いつか何とかなると値段据え置きのまま頑張ることにしました。金銭的には相当苦しみました。
 長男が生まれるときの出産費用1万円を捻出するのにも苦労するほどでした。
 このころ、出前を続けていくかどうか悩んでいました。当時、出前は売上げの5割を占めていたが、問題が3つありました。

 1つは人件費が嵩むこと、もう1つは器の破損が多いこと、
 それ以上に頭を悩ませたのは、味が落ちるという問題です。

 一流の味を目指していたので、これは耐えがたいことでした。
 店の信用にも関わる問題で、長期的にみれば、出前を続けるのは得策ではない。
 かと言って、出前をやめれば、売り上げが半減する。「やめるべきか、やめざるべきか」1か月余り悶々とした末に、出前をやめることを決意しました。

 売上げ半減を覚悟していたが、幸い、さほど落ち込むこともありませんでした。

 何より嬉しかったのは、出前しかとらなかったお客さまが、食べに来てくれるようになったことです。そのことによって私は、初めて自分のラーメンの味に自信を持つことが出来ました。
 値上げに踏み切ったのは、開店して11年後、昭和41年のことで、35円から倍の70円に値上げしました。材料は充分すぎるほどかけているのだから、それ相応の代金をもらってもいいんじゃないか、適正な利益を得てこそ、お客さまに満足していただけるものが作れる、と考えるようになったのです。
 「適正な利益」を得ることで、金銭的にも精神的にも余裕ができたので、以前にも増して熱心に味の研究に取り組み、このころから飛躍的に味を進化させていきました。

 「味がいい」だけでは、人は何十年も通い続けてくれるものではありません。
 お客様が期待している以上の心づかいやサービスがあるからこそ通い続けていただけたのだと思います。


■ふきんの使い回しはしません
 当店は、卓上の油汚れはおろか、床、ドア、窓の桟に至るまで、きれいに磨きあげ、チリひとつありません。
 調理場も毎日閉店後に徹底的に掃除するので隅々までピカピカです。
 さらに、当店ではふきんの使い回しをしません。
 お客様がお食事したあとは清潔なふきんで一度拭いてから、裏返してもう一度拭きます。さらに念を入れて卓の厚みに沿って隅をとるように拭きます。
 いくら念入りに拭いても、油汚れはなかなか落ちづらいものですが、当店のテーブルには油汚れがまったくありません。
■1杯の水にも多くのこだわり
 当店のラーメンは大盛りのうえ、最後のひとすすりまでアツアツなので、冷たい水が欠かせません。水を入れるグラスは工夫が施してあります。ひっくり返らないように大ぶりで底部がどっしりとしたデザインのものにしているのです。

 また、お客様から催促されなくてもタイミング良く水を注ぎ足すよう心がけております。
 常時満席の状態の中で、一人一人のお客様のコップの中身まで管理するのは至難の技ですが、目が行き届かないときは釜場(調理場)がフォローすることによって対応しています。
■数々のエピソードを生んだ氷の無料サービス
 当店が冷たい氷水を出すようになったのは、昭和37年のことでした。当時はクーラーも今ほど普及していなかったので、夏場になると、ラーメンを食べるお客様が減り、どのラーメン屋でも売り上げが落ち込んできました。
 そこで、氷水を出せば、夏の暑い日にもお客様がストレスなくラーメンを食べていただけるはずと考え、思い切って当時のお金で35万円もする製氷機を購入しました。
 当時はまだ冷蔵庫も氷で冷やす時代でどこの店でも生ぬるいお冷しか出していなかったので、この作戦が見事に当たりました。
 製氷機を入れてしばらく経ったころのことです。若いお母さんが青い顔をして店に駆け込んでくるではありませんか。「子どもが熱を出して苦しんでいるので、氷を分けてもらえないか」と言うのです。
 夜間のことでしたので氷屋がしまっているとのことでした。大勝軒が氷の無料サービスを始めたのはこれがきっかけです。時には急病患者の手当てにもお役立ちすることもできました。

 このようなさまざまなエピソードを残した氷の無料サービスでしたが、コンビニなどで氷を売るようになるとその役目を終えたのでした。
■レンゲへのこだわり
 レンゲは、大ぶりのものに変えました。店のモニターテレビを見ていて麺をレンゲにのせて食べる方が多くいらっしゃることに気付いたからです。
 浅草合羽橋業務用問屋街をくまなく歩いて、ようやく探し当てた現在のレンゲは、これまでの二倍ほどもある大きさです。
 レンゲが大きなどんぶりの中にすべり込む不都合も、これで解消されました。